「正解」ではなく「最適解」を見つけ出す

どうもミトコンドリオンです。

 

 

一番いい答え 絶対に後悔しない最適解の見つけ方

 

太田龍樹(おおた りゅうき)

 

1972年生まれ。ディベート団体・バーニングマインド創設者。

論理競技であるディベート大会「ディベートマニア」で6連覇を達成し、その後、社会人のための実践的なディベートスキルの啓蒙と普及に努める。31年間の「知識・スキルの蓄積」と「実践経験」を基に、のべ1万人を指導。指導実績に裏付けされた指導法は、初心者でも「わかりやすく学べる」「実践できる」と好評を博している。

バーニングマインドは、官公庁、企業、大学など、様々な世界に身を置く人々が、社会人として現場で使える「論理的思考力」「コミュニケーションスキル」を身に付ける手助けをする組織。企業研修以外にも、一般ビジネスパーソン向けのトレーニングや講演会を主催している。

ベストセラー『すごい説得力』、『思いどおりに人を動かす超一流のすごい説明』など著書多数。

 

私の性格上、一番正しい正解があると信じ、それ以外は間違っていると感じている節があります。しかし、本章では一番”正しい答え”ではなく、一番”いい答え”をなっており、その導き方が書かれています。この”いい答え”というところが肝心です。世の中に「絶対」はありません。だから比較的良い方を選びます。この比較的良いの導き方が分からないため、漠然と絶対正しいものを追い求めるのかもしれません。

これから私が印象に残った項目について紹介したいと思います。

 

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問題解決の際の人の態度や姿勢は様々ある

多くの人は「勘や直感に頼って答えを出す」「今までの経験に基づいて判断する」「何も考えずに、その場しのぎの適当な答えを出す」ということをやっている。しかし、それで一番いい答えを出せるかと言われると出せないことが多いのではないか。

 

イギリスの哲学者で教育者のスティーヴン・トゥールミンが出した考えだした思考の型に「トゥールミンモデル」がある。最適解=あなたの意見+根拠となる事実+意見と事実をつなぐ理由。この公式に当てはめるだけで、限りなく正解に近い答えが見つかる。

 

社会人の世界では学生時代のテストのように〇×というわかりやすい答えがない。よりメリットがあり、論理的である答えを見つけ出すしかない。決断で後悔しないためには、現実的で最も効果のある答えを導き出す必要がある。

 

最良の答えを導き出す力

  • 情報を収集し、考えをまとめる力
  • 重要な考え・言葉を選別する力
  • 証拠資料を評価する力
  • 論理構成を見抜く力
  • 要点を押さえて、まとめて、話す力
  • 説得力のある話をする力
  • 局面に適応できる力

 

 

プロローグ

正解がない社会人の世界の「一番正しい答え」とは?

 

世の中、ビジネスの世界では〇×のようなわかりやすい答えは皆無であることを認識してください。

TPO(時間、場所、機械)によって答えは変わるし、あなたの悩みに関係する相手の性格・気質・特徴の違いから、万人に適用する一定の答えは存在しません。

だからこそ、より良い「最適解」を模索する必要があるのです。

重要なのは「自分の考えが論理的」であり、「自分や相手が受け入れられる」、「メリットがある」答えでなければなりません。

このためにトゥールミンモデルがあり、基本的にはクレイム+データ+ワラントで構成されています。

クレイム:主張・結論。あなたが言いたいこと。結論。

データ:事実。クレイムを導くために提示する証拠のこと。正当性を裏付ける事実。

ワラント:論拠。クレイムとデータを結びつける理由。

 

 

 

 

第1章

“漠然とした考え”が「最適解に変わる」ちょっとした下準備

 

自分の選択に後悔しない人、失敗しない人ほど、下準備を欠かしません。

なんでも上手くやっている人は見た目では、行き当たりばっかりで結論・答えを出しているように見えますが、実は間違いなく下準備をしています。

 

何となくの考えを論理でまとめる3ステップ

  • 自分の「言いたいこと」「結論」を40文字で箇条書きにする
  • 「主張・結論に至った理由」を考えてみる
  • 隠れた理由をあぶりだす:架け橋となるような隠れた理由(ワラント)を浮き彫りにする。

 

 

第2章

あなたに合った「最良の答え」の見つけ方

 

上質なデータを構築する3つのコツ

  • データの中に数字、統計、資料を入れる
  • できるだけ具体例、実例、たとえ話を入れ、誰もがイメージできるようにする
  • 三者の証言、証拠を入れてみる

 

証拠とあなたの答えを繋ぐ「隠れた理由」を探すには

・因果関係:ある原因が特定の結果を生み出すというワラント因果律とも呼ばれる。例)支出を続けると破綻する。

・兆候:ある兆候が出ている時、別の出来事やルールに関して予測が可能であるというワラント。例)インフレが続いている国の経済政策には問題がある。

・列証:ある特定の例を用いて、他の例や全体に通じる法則、事実を証明するというワラントノーベル賞のレベルの高さと科学分野での国力が比例している

・類推:よく知っている例を、ある例に当てはめることで、ある例について良く知っている例と同様のことが言えるワラント。例)毎年新入社員の70%が1年後に退職する。だから、今年の新入社員も1年後には3割しか残っていないだろう。

・権威:ある権威者が発言しているので、その内容は正しいというワラント

 

データを見極めるテクニック

・思いっきり反対に振って、真逆の主張の理由を考える。

・「逆に〇〇。というのは△△だから」というテクニックを基に、あるデータの信用性があるか見極める。