おじさんの未来は暗い・・・かも?

おじさんは地味な資格で稼いでく。

 

佐藤敦規(さとう あつのり)

社会保険労務士中央大学文学部卒。新卒で就職活動に失敗。印刷業界などを中心に転職を繰り返す。窓際族同然の扱いに嫌気がさし、50歳目前で社会保険労務士試験に挑戦し合格。三井住友海上あいおい生命保険を経て、現在では社会保険労務士として活動。企業を相手に、就業規則や賃金テーブルの作成、助成金の申請などの相談を受けている。資格取得によって収入が200万円アップするとともに、クライアントの役に立っていることを実感し、充実した生活を手に入れた。お金の知識を活かして、セミナー活動や、「週刊現代」「マネー現代」「THE21」などの週刊誌やWebメディアの記事も執筆している。

 

今の会社で、いつまで働き続けられますか?

 

地味な資格とは「法人に必要とされる資格」のことで、個人消費者を相手にするわけではないため、一般的な知名度は低いですが、法人のニーズをしっかり捉えれば、安定したビジネスが可能です。

 

本書の著者も社会保険労務士の資格を50歳で取得し、社労士として働いています。

 

第1章

おじさんを救う、たったひとつの方法

 

20年間で1000万円減った退職金

大卒社会人の退職金は1997年では2871万円だったが、2018年では1728万円に減少しています。30代でマイホームを購入し、30年以上のローンを組んだ人は退職金を当てにしているかもしれませんが、それでは足らなくなる未来があるかもしれません。

 

人口知能(AI)による失業リスク

実際に、人件費削減ということでマニュアルに従うだけの業務は機械やロボットに奪われていきます。実際に銀行では店舗が減ったり、人員削減をしています。将来的に今ある職業の多くは.無くなっているかもしれません。

 

意図せぬパワハラ・セクハラへの恐怖

最近、セクハラやパワハラに関するニュースが増えています。おじさんは自分の若かった時代と現在を比較して発言してしまいます。それがパワハラに繋がり、セクハラにも繋がるのです。

また、現在では「黒字リストラ」というものが増えてきました。業績が好調にもかかわらず、中高年の社員に希望退職や早期退職を促すものです。理由としては、バブル期に大量に採用した中年社員の人数が過剰になっていることが背景となっており、社員の若返りを図るといったものです。

 

5年以上の管理職経験がない人はピンチ

もしもリストラされ、転職活動をするにしても、おじさんでは転職活動は難しいです。さらに、課長以上の管理職の経験がない人は厳しくなります。なぜなら中小企業は管理者教育が十分ではないため、管理職候補が不足しています。よって、管理職経験がある人が求められるのです。

 

 

よって、おじさんは地味な資格を取得して稼いでいくことを薦めているのです。

 

地味な資格を取ることのメリットは以下の通りです。

①働きながら取得できる:例として社会保険労務士が挙げられています。合格者の58%は会社員であり、半数以上は40歳以上の方となっています。

②法人相手で安定する:契約が長く継続することが多い。単価が比較的高い。契約先が新たなお客さんを紹介してくれる

③食っていける

 

前述でこれからの仕事はAIに置き換わってしまうとありましたが、士業が関わる行政の仕事はAI化が遅れると考えられています。理由は以下の通りです。

①判断基準が属人化され、共有化されていない:担当者レベルで基準が変わるため、こちらの対応も変化する必要がある。

②お役所の文章はAIでも理解できない:日本語は英語と異なり、文末まで読まないと判断できません。特に役所が作成する文章は長文なうえ、例外事項などを括弧書きで記されているため、専門家でも理解するのに苦労します。AIにとってはそれ以上に難しいことになるでしょう。

③1ミリでも不正が可能な方法は認められない:完璧を求められるためです。

 

よって、本書でも士業の資格を取得し、独立、転職することを薦めています。