八十八夜の月日の力 ーお茶の栽培環境を比較してみたー

 

夏も近づく八十八夜

野にも山にも若葉が茂る

あれに見えるは茶摘みじゃないか

あかねだすきに菅(すげ)の笠

 

と、茶摘みの唄が、ふと頭をかすめた今日この頃。

八十八夜とよく言うけど、実際にいつからなのかな?

あまり知らない人もいるのではないでしょうか。

 

どうもミトコンドリオンです。

 

皆さんご存知かもしれませんが、

八十八夜とは立春から数えて88日目ということ。

 

そして立春二十四節気のひとつで大体2月4日ごろ、今年2021年は2月3日でした。

 

それから88日目というと5月2日ごろ、2021年は5月1日が八十八夜にあたります。

もう明日です。

 

そこで、この88日間でお茶の栽培に良かった年はいつだったのだろうと思い、過去20年間の気候データを解析してみました。

 

お茶の栽培条件については下記のように紹介されています。

 

お茶の栽培適地(さいばいてきち)は、年間平均気温(ねんかんへいきんきおん)が14~16℃以上(いじょう)で、冬季(とうき)の最低(さいてい)気温がマイナス5~6℃におさまること。

夏季の最高(さいこう)気温が40℃を超えないこと。

降水量(こうすいりょう)としては2~4月と梅雨(つゆ)あけ後の7月中下旬~9月上旬にかけて適度(てきど)に降雨(こうう)があり、年間で1500ミリメートル程度(ていど)の降水量(こうすいりょう)があればよいとされています。

また、昼と夜の気温差(きおんさ)のはっきりしているところのお茶は品質(ひんしつ)が優(すぐ)れています。

 

参考

静岡県ホームページ こどもお茶小事典-お茶の基本

http://www.pref.shizuoka.jp/sangyou/sa-340/2012ocha_shou_jiten.html

 

公益社団法人 静岡県茶業会議所

http://shizuoka-cha.com/index.php/faq

 

 

ここから過去20年間の気候データから考察してみましょう。

場所は静岡のデータを使用しました。

 

・年間平均気温については

期間が88日と短いため、14~16℃以上というのはあまり参考になりませんでした。

ただし、期間中の平均気温が高かったのは2002年で12.65℃でした。

 

・冬季の最低気温については

一応、期間内は冬も入るため、確認してみたが、マイナス5~6℃の時はありませんでした。

 

・夏季の最高気温については

夏場ではないため、40℃を超えることはありませんでした。

 

・2~4月の降水量について

適度とありますが、一番多かった年が良かった年と仮定しましょう。

2010年は88日間で合計979.5mmの降水量があり、最大になります。

 

・昼と夜の気温差について

はっきりしていることが良いということだったので、最高気温の平均と最低気温の平均の差が大きい年を良かった年と仮定しましょう。

2006年は最高気温の平均が32℃、最低気温の平均が10.8℃でその差は21.2℃と差が大きい年でした。おそらく昼夜の気温の差も大きかったことでしょう。

 

また、お茶が植物なので、日光が必要です。日照時間も追加で比較してみました。

 

日照時間が長かったのは2004年で、期間内で657.3時間の日照時間がありました。

 

さらに合計全天日射量(MJ/㎡)も比較したところ、2020年が一番多く、期間内で1455.3(MJ/㎡)の太陽光エネルギーが降り注いだことになります。

 

各項目で比較すると以上の年が良かったのですが、総合的にみて栽培が良かった年を見つけようと思います。

 

平均気温、降水量、気温差、日照時間、日射量を順位付けし、その順位を合計し、一番少なかった年を条件が良い年とします。

 

そして、総合的に気候が良かった年は

第一位 2018年

第二位 2020年

第三位 2009年

第四位 2004年

第五位 2008年、2013年、2017年と同率

 

以上となりました。

 

お茶の栽培は年間の気候が重要ですが、今回は88夜(88日間)に着目してデータを集計してみました。

それでも、もしかしたら、上記の年のお茶はおいしかったのかもしれませんね。

 

 

ちなみに気候データは気象庁のホームページから抽出することができます。

また、何かの機会に使ってみようと思います。