経営視点で仕事するには

どうもミトコンドリオンです。

 

『大学4年間の経営学が1時間で学べる』

 

著者

東京大学 経済学部教授

高橋伸夫

 

 

私は理系なので、特に経営学や経済学は学んでいません。しかし、現在では老後資金問題が取り上げられ、資金は自分たちで準備しなければならない「自助」が掲げられています。

それに伴い、一般企業でも副業を許可したり、株式投資を進めるようになったりしています。私も経済ニュースに関心を持つようになり、自分の行動や仕事についても経済的な視点で考えるようにしています。

そこで、経済・経営について学べる本を読みましたので、ご紹介します。

その中でもコラム等が面白かったので、そちらを紹介します。

 

 

意思決定のコラム

 

できる社員はやり過ごす

 

慢性的にオーバーロード(過重負荷)の状態では、上司から受けた仕事をすべてやることは不可能です。その場合は、優先順位をつけて、順位の低い仕事をうまくやり過ごし、時間と労力を節約しなければなりません。このやり過ごしができない社員は「言われたことをやるだけで、自分の仕事を管理する能力がない」という評価をされてしまいます。

 

  • レーニング機能/選別機能としての「やり過ごし」

上司は、ただ言われたことだけをやる部下を望んでいるのではなく、どのようにやり過ごすか、自分と同じ優先順位のつけ方なのかを観察している場合があります。その場合、あえて上司はオーバーロードになるようにしている可能性があります。やり過ごしはコストがかかってしまいますが、トレーニングとしての側面も持っているそうです。

 

やり過ごしを許容するある企業の評価基準

 

・A評価

やり過ごしも含めて上司のオーダーを自ら優先順位をつけて遂行し、必要に応じて指示されないことまで自主的に行って、常に時機に応じた解を提示する部下。

 

・B評価

上司から言われた順に仕事に着手し、上司が指示した範囲で確実に仕事を遂行するが、上司の指示が多すぎたような場合には、時機を逃すこともある部下。

 

・C評価

やり過ごしも含めて間違った優先順位を勝手に行い、その結果やらなくてもいいことを先にやり、やるべきことを後手にして時期を逃す部下

 

・D評価

自ら優先順位をつける能力もなく、かといって、上司から言われたことも遂行できない部下。

 

やり過ごしは良くないことだと思っていましたが、できる人はやり過ごしているということに驚きました。仕事は優先順位をつけて進めてはいますが、締切があるとそれまでには何とかやり遂げようとしています。私の勤める会社はやり過ごしを許容してくれる会社かどうかはわかりませんが、これはやらなくてそこまで困ることはないことに関してはやり過ごせるように見極める力をつけてみたいと思います。

 

 

内発的な動機付けのコラム

 

「達成感」が基本

 

ユダヤ人の洋服仕立屋のお話

 

アメリカのある街に一人のユダヤ人が洋服仕立屋を開いた。すると、町の少年たちは店先に立って「ユダヤ人!ユダヤ人!」とやじるようになった。

困った彼は一計を案じて、少年たちに「私をユダヤ人と呼ぶ少年には1ダイム(=10セント硬貨)を与えることにしよう」と言って、少年たちに硬貨を与えた。少年たちは大喜びで、次の日も店先に来た。すると彼は「今日は1ニッケル(5セント硬貨)しかあげられない」といって、少年たちに与えた。その次の日も少年たちは来た。彼は「これが精いっぱいだ」と言って、1ペニー(1セント硬貨)を与えた。

すると、少年たちは2日前の1/10の額であることに文句を言い、「それじゃあ、あんまりだ」と言って、それから2度と店先に来ることはなかった。

 

少年たちは最初は内発的に動機づけられて「仕事それ自体が報酬」だったはずなのに、お金が発生すると、お金のインパクトが強すぎて、「仕事→金→満足」と分離してしまい、お金のために動くようになってしまったということです。そのため、お金がもらえなくなったので、働かなくなったということです。

 

内発的な動機付けは「職務遂行と職務満足が一体化している」

金銭的報酬が発生すると

「職務遂行→金銭的報酬→職務満足」を分離されるため、

金銭的報酬がなくなると働かなくなってしまいます。

 

 

 

管理者行動論

リーダーはどんな仕事をしているのか。

リーダーはコミュニケーションに時間を割いている。

 

リーダーは1つの仕事にかけられている時間は短く、断片化しているようです。

管理者はコミュニケーションに多くの時間を使っているのです。また、経営者は部下とのコミュニケーションに多くの時間を割きます。

 

 

「上司ってずっとパソコンの前にいるよな」って仕事を始めた頃は思っていました。全然手を動かさずに指示だけ出して楽な仕事だなとも思っていました。

しかし、今なら分かります。他部署との調整や部下への指導等コミュニケーションに非常に時間を要していると実感しています。

ただ、仕事のできない上司を見分ける眼は必要です。部下が優秀だと、部下が上記の仕事をこなしてしまうので、他部署とのコミュニケーションや指導ができない上司でも他部署からは仕事ができる上司に見られることでしょう。

デスクにずっといるという状況は同じですが、自分が動かずに仕事を進めることができるか、なにもできない人になるか、自分の目指す姿を想像してみてはいかがでしょうか。

 

 つづく