#ある朝殺人犯になっていた

どうもミトコンドリオンです。

 

#ある朝殺人犯になっていた

 

藤井 清美(ふじい きよみ)

1971年生まれ。徳島県で育つ。筑波大学在学中に舞台から仕事をはじめ、映像の脚本でも活躍。近年挑戦している小説では、大学で歴史学を学んだ経験を活かし、綿密な調査と取材を強みとする。舞台では小劇場から大劇場まで多くの作品を発表。『ブラックorホワイト? あなたの上司、訴えます!』(作・演出)など。ドラマ・映画のシナリオでは恋愛ものからサスペンス、スケールの大きなアクション作まで手掛ける。「相棒」「恋愛時代」「ウツボカズラの夢」「執事 西園寺の名推理2」(以上ドラマ)、「引き出しの中のラブレター」「インシテミル7日間のデス・ゲーム」「るろうに剣心」シリーズ、「見えない目撃者」(以上映画)。小説では『明治ガールズ 富岡製糸場で青春を』「偽声」『京大はんと甘いもん』。

 

 

ネット民【時効まで逃げ切るなんて赦せない】VS.淳弥「…そうか。事実って集めても真実にならないんだ」

誹謗中傷、プライバシー晒し、私刑…

SNS上で標的にされた若手お笑い芸人の苦悶と反撃の“ドキュメント”

 

浮気淳弥(うきじゅんや)(28)は、佐藤昌紀(さとうまさき)(25)と漫才コンビ「スレンダーズ」を組んで3年の売れない芸人。目覚めた浮気は、SNS上に自分がひき逃げ犯だという噂が広がっていると知る。6歳の女の子がひき逃げされた悲惨な事件が時効を迎えようとしており、ネット民は怒り狂っていた―。「俺は関係ない」と否定すればするほど、過去が暴かれ、プライバシーが晒されてゆく。人生を取り戻すなら犯人を見つけるしかない!炎上や個人攻撃のメカニズムを赤裸々に暴き出す、迫真のジェットコースター・エクスペリエンス!!

 

 

ある朝、急にひき逃げ犯とネット中に拡散され、見知らぬ人から非難を浴び、やることなすこと監視され、周りからも信じてもらえないし、周りも信じられなくなる主人公。それでも主人公を支えようとする相方。時には周囲の人まで疑ってしまう心理状態になる。

後半は相方と協力して事件を捜査していきます。どんどん真相に近づいていき、時には自分を陥れたものを逆手にとって真相を暴いていきます。

迫真のジェットコースターということもあって、どんどん読み進めてしまう面白さがあります。

 

この作品は2021年に朗読劇として舞台化されています。コロナ禍ということで配信していたり、バリアフリーコンテンツということで、手話回もあったそうです。

 

 

感想

 

見知らぬ人から誹謗中傷を受け、自分の関係者にも迷惑をかけてしまうし、何もしても非難されてしまう。やること成すこと否定される描写は読んでいても気持ちの良いものではありませんでした。

きっかけは注目を浴びたいだったり、匿名で応援したいだったり、たまたま思い出したからだったりと本人には悪意はなかったのに、それが連鎖して、無実の人を犯人にしてしまう。使い方次第では良くも悪くもなるツールだと再度思い出しました。

誰も犯罪を許せないという気持ちなのだが、それがただただ犯人を叩くだけで、その先がない。しかし、それが見ず知らずの人ができる最初の行動なのだと思いました。ただ自分の正義感を満たすだけで終わっていますが。

 

私も普段ニュースを見ますが、その情報の一方向からの意見を見聞きするだけにも関わらず、どんどん想像が膨らんで、偏った意見を持ってしまっていると気づきました。ツイッターのような手軽なSNSは発信しやすいが、発信することへの責任は薄れてしまっているということにも気づきました。

ただ見聞きしているだけの情報を信じてしまい、それ以上は踏み込まないようにしている。

アパートのおじさんや近所のパン屋さんみたいに、よくよく聞いてみると周りからの噂は間違っていたり、思い込みだったりすることは多いと思います。一歩踏み出すだけで、誤解が解けたりする場面は読んでいて、皆さんも思い出すかもしれません。

 

このブログのように、アウトプットすることは重要ですが、方法や考えについてはよく考える必要があると再認識しました。

これからも上記の事を忘れずにアウトプットしていこうと思います。