自省録

 

新型コロナが流行し、家にいる時間が長くなっていたので、読書をする機会が多くなったので、読んだ本の一部を紹介していこうと思います。

 

今回は「自省録」です。

これはNHKの「100分で名著」という番組で紹介されていたので、気になっていました。

 

著者はローマ皇帝五賢帝の一人、マルクス・アウレーリウス・アントニヌスです。

マルクス・アウレーリウスは哲学者になりたかったのですが、皇帝になってしまい、それからも哲学を学びながら国を治めていた人です。

 

この自省録は特に後世に残したくて書いたものではなく、自分自身に向けてメモのようなかたちで書いていたものです。

よって、内容も思い付きで書いたような短いものから、詩的につらつらと書いたものまであります。

 

今回はその中でも私がグッときたものをいくつか紹介していこうと思います。

 

 

第4巻

 

17 あたかも一万年生きるかのように行動するな。不可避のものが君の上にかかっている。生きているうちに、許されている間に、善き人たれ。

 

仕事が上手くいくか、将来について心配になって、常に不安に駆られていた時に出会いました。

将来を考えていろいろと想像したり、準備をしたりすることは良いことだと思いますが、考えすぎて、不安しかなく、どうしたら良いか不安で頭がいっぱいでした。

それこそ、あたかもこの先、何百年、何千年も生きるかのように先のことを考えすぎていたのかも知れません。

そこで、この言葉に出会い、先のことは誰にも分からないのだから、怖がっても仕方がない。今できることを見て、行動することが重要だということに気づかされました。

「生きているうちに、許されている間に」の許されている間とは自分で考え、自分の意志で動くことができる間、(=自由が許されている間)に行動しろ。ということだと認識しています。

 

 

自省録はこのような感じで自分に向けたような、思い付きのような文面になっています。

私はマルクス・アウレーリウスが自分に向けて、寝る前にでも日記をつけるようにこれを書いている様子を思い浮かべました。

皇帝でもこんな風に自分を鼓舞するように頑張っていて、なんか自分も頑張れそうな気がしてくるからです。

 

これからも自省録で私が感じたことを書いていこうと思います。

 

自省録

マルクス・アウレーリウス/[著] マルクス・アウレリウス・アントニウス

神谷美恵子/訳 カミヤ,ミエコ

岩波文庫